第14章 奇行種の妙案
飲食店を後にした2人はまず、乾杯用の酒を購入した。この酒もハンジが好んで飲んでいる物らしい。
かなりの値段がしたが、毎年ハンジはグビグビとあっという間に飲み干してしまうというから驚きだ。
そして、次はクレアの買い物だ。商店をアレコレとまわり、必要な物を揃えていく。
一つ一つの値段は割と安価であるが、買う物が沢山あったため、大荷物になってしまった。
「モブリットさん!私の方はこれで全部です。結局夕方になってしまいましたね!兵舎に帰りましょう。」
「そうだね、でも分隊長のプレゼントが決まって良かった。俺は…まだ若干不安は残っているが…」
「大丈夫です、大丈夫です!私を信用してください!我ながらこのアイデア、自信があります!」
「それならいいが…」
2人は兵舎に戻るとそれぞれの自室に戻っていった。
夜になり、早目の風呂を終えて自室でくつろいでるところに、フレイアが帰ってきた。
「あ、おかえりフレイア!エルドさんとのデートは楽しかった?」
「うん!クレアもおかえり。そうそう!今朝、エルドさんに髪型褒めて貰えたんだよ!またお願いしてもいい?」
嬉しそうに笑うフレイアに、クレアの答えなど決まっていた。
「私でよければいつでも言ってね!」
「頼りにしてます。………ん?クレア?これなに?今日はハンジさんの誕生日プレゼント買いに行ってたんじゃなかったの?」
フレイアが大きな紙袋に入ってるものをのぞくと、その中身を見て不思議そうな顔をしていた。
「そうだよ!これがプレゼント!でもこのままあげるわけじゃないんだ。誰にも言わないでね!」
そう言うと、クレアはフレイアの耳元で小さく囁いた。
「……はぁ?!そんなものあげるの?いやー…えーと…、んー、んー、んー、確かに喜ぶかも?」
苦し紛れに答えるが、最終的にはなんだかフレイアは納得している様だった。
「でしょ?!早く明日にならないかなぁ!」
こんなにワクワクしたのは久しぶりで、興奮してちゃんと眠れるか心配になる程だった。
クレアは風呂に向かうフレイアに先に寝ることをつげると、早目に床について、無理やり目を瞑った。
どうか寝坊しませんように……
クレアは祈りながら眠った。