第14章 奇行種の妙案
「いや!決して悪い意味ではなく…」
モブリットはまずい事を言ってしまったかと、少しアタフタとしてしまう。
「私の体型に合う服って中々なくて…てっとり早く買うと子供服になってしまうんです…そうなると、本当に12歳くらいの子供にしか見られなくなるので、無理やり大人の服を着ています…不格好は承知のうえですが。それでも子供によく間違われます。でも今日はモブリットさんも一緒なので、さすがに大丈夫でしょう…」
「すまない!女性は色々と大変なんだな…」
「はい…大変です。」
2人で苦笑いをすると、早速街に向かい歩き出した。
休日ということもあり、商店が立ち並ぶ街あいはとても賑わっていた。
「ハンジさんってお酒は飲みそうなイメージですが、巨人とお酒以外に何か好きなものってあるんですか?」
ハンジ班に配属され、まもなく半年になる。ずっと側で仕事を手伝ってきたはずだが、クレアにはハンジの好みのようなものがピンと思い浮かばなかった。
「…それが困ったことに、分隊長は巨人のこと以外にはまったく関心がない人なんだ。まぁ、人の恋愛に首を突っ込んだりすることはたまにあるが…俺もこれといって思い浮かばなくて結局毎年好きな銘柄の酒を贈ってたんだ。」
「モブリットさんでもわからないとなると、ちょっと困りましたねぇ……とりあえず、女性のプレゼントになりそうなものが売ってるお店をひと通り覗いてみますか?」
「そうしてみよう。俺一人では入りづらい店もあるから助かるよ。」
2人は色々な店を見てまわりながら歩いた。
髪飾り
髪留め
ネックレス
ティーセット
化粧品
次々に案を出すが、なかなかしっくりくるものがない。
化学書の類は喜びそうだが、ハンジの喜ぶジャンルがわからない。
香水や香油の類も候補にでたが、風呂に入らない状態でそんなものをつけるのは大変危険だと、モブリットが却下をした。
商店街をグルグルまわりながら歩いていると、もう昼をとうに過ぎていた。
「クレア、疲れただろう。いったん昼休憩にして作戦会議だ。どっかに入って食事にしよう。」
「そうですね。だいぶ歩いたのでお腹減りました。」
2人は近くの飲食店に入って昼休憩をすることにした。