第14章 奇行種の妙案
「す、すまない!もっと早く言いたかったんだが、俺達っていつも一緒だろ?なかなかクレアだけに話をするってことができなくてな。なんだかんだで今になってしまった。」
確かに言われてみればそうだ。
ハンジ班はほぼいつも3人一緒か、もしくはモブリットとハンジ、クレアとハンジの組合わせで行動することが多く、クレアとモブリットはハンジのいない所で会話をすることなどほぼ皆無であった。
そう言われてみると…とクレアも納得した様子だ。
「いつもは俺から酒をプレゼントしていたんだが、今年はクレアもいるし、何か一緒に考えようと思ってな…」
「天気もいいし、これからモブリットさんと街まで買いに行ってみたら?」
フレイアが提案をした。
「あぁ。そうしてもらえると助かる。」
「そうですね!せっかくのハンジさんの誕生日です!素敵な物をプレゼントしましょう!」
題してモブリットとクレアのプレゼント大作戦だ。
本来ならば何の予定もない退屈な休日になるはずだったのだ。しかし、急に舞い込んだイベントに胸踊らすと、クレアはワクワクが止まらなかった。
すぐに出かけようとしたが、よく見ればモブリットもクレアも朝方に仕事をしていたためか兵服だった。
「じゃあクレア。着替えたら兵門の方まできてくれ。待ってるから。」
「はい!すぐに支度します!」
そう告げるとモブリットは部屋を出ていった。
「ねぇクレア、ハンジさんにあげたいもの、決まってるの?」
「んー、まだ全然思い浮かばないから、モブリットさんと相談しながら決めるよ!」
クレアは支度を済ませると、フレイアと一緒に部屋をでてそれぞれの行き先に別れて行った。
玄関を出て兵門の方に走って行くと、モブリットは先に来て待っていた様だった。
「すみません!お待たせしました!」
「いや、俺も今来たところだ。それにしても…クレアは私服になるとずいぶんとイメージがかわるな…」
ビスクドール顔負けの容姿を持っていながら、私服は少し着古したブカブカのワンピース。
見た目と服装がちぐはぐでなんとも言えないミスマッチな出で立ちだ。
「そういう反応にはもう慣れましたが、やっぱりちょっと傷つきます…」
クレアは少し肩を落とした。