第13章 奇行種、ハンジと入浴
涼しさの残る入団したてはまだ我慢できたが、本格的な夏になっても入浴サイクルはまったくかわらなかったため、クレアはリヴァイから言われていなくても、いずれはこうするつもりではいた。
今まではまだ半人前だったゆえ、ハンジに意見をすることはしなかったが、1人前になった今なら問題はないだろう。
「常人並に、とまでは言いませんが、もう少し入浴回数を増やしてください!なので、行きますよ!」
「ひぃぃ、拉致られるぅ……」
ハンジの腰をグイグイと押しながら執務室を出ようとすると、目を潤ませたモブリットと目があった。
「分隊長、ここの片付けは私がやっておくので、ゆっくり入ってきて下さい。クレア、頼んだぞ。」
モブリットはまさかのクレアの提案に感動したのだろうか。拳を胸に当て敬礼をしながら2人を見送った。
クレアは一度ハンジの自室に寄って着替えを取りに行かせてから大浴場にむかった。
「ハンジさん、この先に大浴場があるの……まさかとは思いますが、知ってましたよね?」
「クレア……私も分隊長になる前は相部屋だったし、大浴場を使ってたんだ。まぁ、たまにだったけど……だからその存在を知らないわけないだろ。」
「ですよね!」
脱衣場に入ると、時間が時間なだけあって誰もいない。
「さすがにこの時間は誰もいないみたいだね、ラッキー。」
ハンジもクレアも服を脱ぎカゴに入れていく。
さぁ入りましょうと声をかけようと思ったところで、クレアは予想だにしなかった光景に衝撃をうけ、一瞬目眩を起こしそうになった、
「ハ、ハ、ハンジさん?……ですよね…?」
髪をほどいてメガネをとった裸のハンジを見たクレアは自身の目を疑った。
ハンジはフレイアと同様にスラッと背が高い。
しかし、フレイアと違う点があった。
兵服を脱いだハンジは意外にも胸が大きく、尚かつ形もいい。普段は胸が目立たないような下着をつけているのだろうか……
そしてキレイにくびれたウエストとツンと上を向いたヒップがなんともいえない色っぽさを醸し出している。
その上メガネを外した顔は普通にキレイだ。
何日も風呂に入ってないはずなのに、このエロティックな雰囲気はいったいなんなのだ。
クレアはあいた口が塞がらなかった。