第12章 奇行種の休日
「!!?」
「休日は何をしていたんだ?」
リヴァイはクレアとの距離にとりあえず満足をすると、ここに座ることの異論は受け付けないとばかりに、他愛もない質問を投げかけた。
リヴァイとの距離がいきなり近くなり驚いたクレアは少し声を上ずらせながら答える。
「お、一昨日は少し遠出をしていました……」
紅茶をすするリヴァイの眉がピクリと反応する。
……なんだと?
一昨日といえば、エルドも遠出をすると、馬の使用許可をとりにきていた。
まさか2人ででかけていたのか?
「……まさかとは思うが、エルドと一緒にでかけてたのか?」
「は、はい。エルドさんだけでなく、フレイアも一緒でしたよ。3人でフレイアの妹さんがいる孤児院まで出かけてました。」
「………………。」
リヴァイ班も兵団と同様に恋愛は自由だ。
もちろんリヴァイも部下の恋愛に口をだすつもりは毛頭ないが、相手がクレアであればその限りではない。
「兵長?どうされましたか?」
突然黙ってしまったリヴァイを不思議に思い、問いかける。
だが、心なしか少し不機嫌そうにみえるが気のせいだろうか…
「お前は、エルドと付き合っているのか?」
「えぇ?!」
「別に調査兵団は恋愛禁止でなはい。俺の班も同様だ。付き合っていても何もお咎めはねぇ。」
リヴァイは内心少し焦っていた。
クレアへの気持ちを自覚してからは、好きだと想う感情が日を追うごとにますばかりだ。
例え、クレアが他の男が好きだとしても力ずくで奪うつもりでいた。
とはいっても、ハンジ崇拝者のこの奇行種のことだ。
好きな男がいたり、恋人がいたりなど、皆無だと思っていた。
……チクショウ、油断していた…
その上その相手が自分の班の部下かもしれないなんて…
そんなことなど微塵も考えていなかった。
ここは今、なにがなんでも確認しておかなければならない重要事項だ。
「さぁ、どうなんだ。言えよ…上官命令だ…」
仕事など二の次だと言わんばかりにクレアの両腕を掴んで自分の方を向かせると、少し戸惑った表情と目が合った。
「…兵長…あ、あの……」
腕を掴まれたことで、クレアの手から書類が1枚離れると、ヒラヒラと床に落ちていった。