第4章 懇願
「ああ、皆も周知の通り調査兵団は慢性的な人員不足だ。有能な兵士は1人でも多く入団してもらいたい。だが今回は前例のない問題だ。特別待遇するにあたっては、それに見合う技量か見定める必要がある。重要な任務だ。リヴァイ、頼まれてくれるな。」
リヴァイは眉間に皺をよせながら答える。
「…了解した、エルヴィン、お前に従おう」
「頼んだそ、新兵入団後の壁外調査で生きて帰ってこれるほどの腕前を持っているならばハンジ班での入団を許可しよう」
「あぁ…わかった」
「やったぁ!じゃあさっそく明日行こう!寝坊しないでよリヴァイ!」
「おい、誰に言ってやがる。」
だがハンジはすでに団長室をあとにするところで、みんなおやすみ〜と後ろ手ふり、鼻歌を歌いながらでていってしまった。
リヴァイ盛大に舌打ちをした。
「まぁ、リヴァイ、そう荒れるな。今は1人でも有能な兵士に入団してもらいたい。巨人討伐でお前の右に出るものはいないからな、明日の視察はお前が適任だ。俺からもよろしく頼む。」
そう言うとミケはリヴァイの肩をポンと叩くと自分の部屋に戻っていった。
「はぁ…」
深く溜息をついてはみたが、リヴァイはまったくクレアに興味がないわけではなかった。
特別待遇を左右する重要な任務を任されたのだ。期待外れな結果だけは勘弁しろよと心の中でつぶやき、リヴァイも団長室をあとにした。