第83章 第83章 番外編・奇行種、不調
1週間ほど前からクレアの体調がよくないとリヴァイから聞いていたハンジ。
次の日も、そのまた次の日もリヴァイはクレアの体調が悪いと心配し、仕事が手につかない様子だった。挙句の果てに休めと言っても出勤するため、段々とハンジに八つ当たりをするようになったのだ。それはそれは露骨に。
勿論ハンジも心配していなかったわけではない。
クレアの職場は医務室。
クレア自身医師でありベテランの医師も一緒だ。
出勤できない程具合が悪いならともかく、一緒に出勤できているなら大丈夫なのではと思ってしまっていた所もあった。
「そういえばクレア、体調大丈夫?リヴァイから聞いてはいたんだけど…忙しくて中々様子見にいけなくて…」
「ハンジさん…」
しかしリヴァイから聞いていた通り、クレアは体調絶好調という雰囲気ではなかった。
団長という立場上、兵舎を離れることも多くクレアの顔を見られたのも2、3日ぶりだ。
久しぶりに見るクレアの顔は、少しやつれているように見える。
「もしかしてこれからお遣いに出るの…?私もついて行こうか?」
玄関から外に出ようとしている所から察するに、お遣いなのかと聞いたハンジだったが、いくら年寄りだからといって年配医師が車椅子のクレアを遣いに行かせるなんて信じられない。
首を傾げながら問いかけると、言いにくそうにクレアは答えた。
「あ、あの…これからここに行くんです。先生から今すぐ行くように言われました…」
「ん??どれどれ……って…えぇ?!!」
医師からのメモを見て目をまんまるにするハンジ。
メモ紙には、覚えのある名前が書いてあった。