第83章 第83章 番外編・奇行種、不調
もう少し効果のデータをとりたいのたろうか。
なんにせよ、ベテランの医師が処方してくれているのだ。効果が切れればげんなりとしてしまうが、服用してしばらくはなんとか仕事はできる。
今朝は少し吐いてしまったが、朝の分の生薬を飲んだ後はそこそこ改善しわずかだが朝食も口にできた。
クレアはもう少しだけ様子を見てみようと思い、昼の分の生薬を水で流し込むと頬をパチンと両手で叩いて気合いをいれた。
「よし!午後も頑張ろう!!」
どうしても食欲がなかった為、昼食は抜いてしまったが朝はなんとか少し食べてはきた。倒れることはないだろう。
そう自身に言い聞かせてペンを取った時だった。
――コンコン――カチャ――
「クレア、いるか?」
「あ…兵長…」
もう午後の訓練が始まるというのにリヴァイが医務室の扉を開けた。
なんだか眉間に皺が寄っているが怒っているのだろうか。
しかし、リヴァイの不機嫌に心当たりのあるクレアはリヴァイの顔を見るなり気不味さで視線を右に左に泳がせてしまった。
「おいクレア、まだ昼飯食ってねぇだろ?」
「えと…その……あの…」
「その様子だとこれから食いに行くって訳ではないな。昨日の夜もまともに食っていない上に朝吐いて、さらに昼は抜きか?いい加減にしろ!今日はもう帰って休め」
このところの体調不良を勿論だがリヴァイは知っている。当然だがリヴァイはこの1週間、まともに食事がとれていないクレアを心配し何度も仕事を休めと言っていた。しかし、クレアは大丈夫だと言い張り続けたのだ。