第82章 番外編・2人を繋げたモノは…?
そんなこんなで、会食披露宴は日が傾くまで賑やかに盛り上がった。
西の空がオレンジ色に染まる頃には料理の乗った皿も、酒の入った瓶も全て空っぽだ。
途中アクシデントもあったが、ハンジが段取りを組んだ挙式に披露宴は無事に結びとなった。
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「兵長、お疲れ様でした。私、すぐに紅茶を入れますのでおかけになって下さい!」
「………」
「あ…その前に着替えないと、動きづらいですね。」
馬車に乗り、2人で住んでる自宅に戻る頃にはすっかり日も暮れ真っ暗だ。
だいぶ気温も下がり肌寒い。
クレアは風呂に入る前に温かな紅茶でもと思い車椅子からぴょんと勢いよく片脚で立ち上がったのだが、長い裾のドレスでは動きづらい。
ひとまず動きやすい物に着替えようと、クローゼットのある部屋まで行こうとしたのだが、手首をグッと掴まれてしまう。
「兵…長…?」
「待て、紅茶は…いい…」
「で…では……」
真顔で手首を掴まれ紅茶を断られてしまった。
特に怒ってはいなさそうだが、無言でクレアを見つめるリヴァイ。
するとクレアはある事に気づく。
よくよく考えれば、リヴァイは馬車の中でもずっと黙っていた。
会食の時には式をやって良かったと言っていたため、自分が機嫌を損ねた可能性は低いし、怒っている感じではない。
クレアはどうしたもんかと返答に困っている間に、リヴァイはジリジリと距離をつめ、あっという間に至近距離になってしまった。
「あの…えっと……」
「約束したからな…」
するとリヴァイは、クレアの目から少し視線を落としてボソリと呟く。