第82章 番外編・2人を繋げたモノは…?
そう…それは、幸せすぎておかしくなってしまいそうな程に。
「兵長、皆さんとても楽しそうにお食事をされてますね!!私、嬉しいです…」
「あぁ、そうだな…」
リヴァイは想う。
地下街でゴロツキをやっていた頃は、仲間と自分の命を守るために人さえも殺した。
エルヴィンに引きずられるように入団した調査兵団では、死なせてしまった部下が、数え切れない程いる。
人類最強など誰が言い出したんだと人知れず静かに嘆いた夜もあった。
しかし、こんな自分にも皆笑顔で祝儀を持ってかけつけてくれた。
そんな皆の心遣いに、らしくもなく胸の辺りがこそばゆくなるが、ちゃんと感謝もしている。
「私、目立つのが恥ずかしくて結婚式とかちゃんと考えてませんでしたが、今は挙げて良かったと思ってます。皆さんに祝っていただけて、感謝の気持ちも伝えられて…私、とっても幸せです!」
「そうだな…俺もあまり乗り気じゃなかったが…お前と同じだ。やってよかった。」
「本当ですか?兵長も同じ気持ちでいてくださったとは…嬉しいです。」
「まぁな…それに、珍しい光景も見れたし文句は無いな。」
「え…キャッ!!」
「あとでちゃんと種明かししろよ?」
素直に感謝の気持ちを言うのは少し気恥ずかしかったのか、リヴァイは視線をクレアの胸元に落とすと人差し指で膨らみをつついてみせた。
「…………はい。」
「それでいい…」
クレアは顔を真っ赤にして俯いてしまったが、今朝までは残念な胸元だったのだ。
ドレスは胸下のリボンベルトで切り替えになっているエンパイアデザインで、タリアの手技によって見事に膨らんだ胸が強調されている。
当然だがリヴァイが気づいてないわけがない。
耳まで真っ赤になってしまったクレアは観念したようにボソリと返事をした。