第82章 番外編・2人を繋げたモノは…?
「なんじゃいなんじゃい…老い先短い老人の楽しみを奪いおって…」
アンカの平手打ちがよほど堪えたのか、シュンと小さくっなってしまったピクシス。
しかし、ブツブツと不満はしっかりともらしている。
「アハハハハ!!司令もアンカには弱いんだね!!いい部下を持ったね!!」
そんなピクシスとアンカのやり取りを見てますます笑いが止まらないハンジとタリア。
酒も笑いも止まる気配がまったくない。
「はぁ……クソメガネが…」
「兵長…」
ハンジのバカ騒ぎに苛立ち混じりのため息をついたリヴァイに、クレアは“まぁまぁ”となだめようとするが、眉間のシワは深くなるばかりだ。
すると、リヴァイの隣に座っていたナイルが2人に声をかけてきた。
「まぁリヴァイ、今日はめでたい席だ。無礼講でいこうじゃないか?!」
「はあ…?あれが無礼講か?無礼講すっ飛ばしてただの騒音だ…!」
「へ、兵長…!!」
「ははは…騒音か。クレアも大変だな。ハンジとリヴァイの間に挟まれてばかりでは?」
「ナイル師団長…私は、大丈夫ですので。」
クレアは長い間ハンジの部下でありながらリヴァイの恋人だった。
言い争いの絶えない2人の間に挟まれていてはさぞ居心地も悪かっただろうと、ナイルは今までの苦労を労ったのだが、本人からはサラリと笑顔で返されてしまう。
その笑顔は特に無理に笑っているわけでもなさそうだ。
「そうなのか?」
「はい…!!」
クレアは大丈夫そうだが、もう1人の主役であるリヴァイがこんなむすくれ顔では、クレアも対応に困るだろう。
「なぁクレア、せっかくだから2人の馴れ初めでも聞かせてくれないか?」
「え?馴れ初め…ですか?」
リヴァイの機嫌を直すにはちょうどいい話のネタだと、ナイルは2人の馴れ初めを聞いてみた。