第82章 番外編・2人を繋げたモノは…?
「こんのクソジジイが……」
そして勿論だがリヴァイがこんな展開を黙って見ているわけがない。
祝の席で怒り狂うなど言語道断と頭では理解しているが、クレアが絡むとそうはいかない。
自分の妻になる女が厭らしい目で見られているのだ。
老い先短い老人が、今死んだ所でさして問題ではないだろう。
この場でひと思いに楽にしてやろうと鋭い睨みをきかせた時だった。
ーパコン!ー
「あ……?!」
「………?!」
拍子抜けする様な音にリヴァイもクレアも、そして招待客も目が点だ。
「ピクシス司令!お酒は挙式が終わったあとにして下さいと、何度も申し上げたではないですか?!ハンジ団長から神父役を任命されたというのに…こんなに酔っ払って…!はっきり言って私、恥ずかしいです!!」
「アンカ?!何をするつもりじゃ…?!」
「何をするって…司令は退場です。綺麗な女性がお好きなのは結構ですが、クレアさんは新婦さんですよ?!いい加減にして下さい!」
「お、おい!アンカ…?!い、いた!いたたた!!」
ピクシスは怒ったアンカにこっぴどく叱られた上に、強制退場となってしまった。
「ハンジさん…申し訳ございません…司令は一旦酔い覚ましさせてきますので、後は宜しくお願い致します。」
「え?えぇ?!私?!」
アンカは取り上げたカンペ付き官能小説をハンジに手渡すと、ピクシスの耳を引っ張りながらチャペルを出て行ってしまった。
クレアの胸に釘付けになっていたリヴァイを見て笑いを我慢していたら、予想外の展開が起こりまさかの大役が回ってきてしまった。