第82章 番外編・2人を繋げたモノは…?
「…………」
リヴァイに向かって一歩一歩ゆっくりと動く車椅子。
クレアは今まで生きてきた人生を想う。
調査兵団に入団してからは怪我に辛い別れ、そしてライナー達の裏切りに中央第一憲兵との殺し合い…
どんなにもがき苦しんでも、待ったなしの戦闘に追われていた日々。
悔し涙に悲し涙、怒りで流れた涙…流した涙で雨を降らせてしまえるくらい泣いたといっても過言ではない。
悲しみで我を忘れた事もあった。
思い返せば、辛い事が大部分を占めている。
しかし、自身の人生を色濃く豊かにしてくれたのもまた、調査兵団。
初めて情熱という熱い想いを教えてくれたハンジ。
深い友情を教えてくれたフレイア。
そして、愛を教えてくれたリヴァイ。
今の自分も、そしてこの大きな幸せも、全て調査兵団あってなのだ。
辛かった事も、悲しかった事も数え切れない程あって、まだ終わりは見えない。
それでもこの命ある限りリヴァイを全力で支えて、愛して、幸せを感じて、悔いの残らない人生を送りたい。
ーキィー
今までの人生を回想し、リヴァイとのこれからを想っていたら車椅子が止まった。
長いバージンロードを歩き終え、無事に祭壇手前まで辿り着いたようだ。
グレンが目に涙を溜めながら握っていた手をリヴァイに託すと、リヴァイはクレアを横抱きに抱き上げて祭壇まで数段ある階段を1段ずつゆっくりと上がる。
一番上まで上がり、クレアをおろすとベール越しに少し緊張している表情と目が合った。
「……………」