第12章 奇行種の休日
「兵長は俺たち班員のことを大事に思ってくれてるし、信頼もしてくれてる。でも、同じ兵士でも、クレアに対してはもっと違うものを感じるんだ。」
「え…?」
「んー、言葉にするのは難しいけど、大切に想う種類が違うのかな?きっと兵長はずっとクレアを側に置いておきたいんだよ。今まで俺たちでさえ部屋の掃除を任されたり、執務を手伝わされたりしたことはないからね。」
「そうなんですか……」
「兵長には、心の支えになる様な人がいてくれたらって前から思ってたんだ。だから俺たちに応援させてくれ!悩んだらいつでも相談にのるからね。」
………以前、エルヴィンからも似たようなことを言われたのを思い出した。
ただ側にいてほしいと思う存在。
恋人という存在。
相手は人類最強といわれてるリヴァイ兵長だ。そんなものに自分がなることができるのだろうか…
クレアはまだ片思いしか知らないため、2人に1つ、質問をしてみた。
「ありがとうございますエルドさん。あの……お二人に伺いたいのですが……恋人同士になるってどんな感じなんですか?…片思いよりいいものですか?」
「「え?!」」
エルドとフレイアはお互いに目を合わせたあと、少し赤くなって答えてくれた。
「「もちろん!とても幸せな気持ちだよ。」」
「………………………………。」
2人の幸せそうなその答えを聞いた瞬間、クレアの胸がドクンと高鳴った。
2人の関係を羨ましいと思うと同時に、リヴァイに対する好きだという気持ちが次々に溢れてきた。
クレアは、リヴァイが好きだという想いだけではなく、リヴァイの側にいることができる存在に…恋人という存在になりたいんだと、今改めて自覚した。
「ありがとうございます…今すぐは勇気がでないですが、いつかは自分の気持を伝えてみようと思います。」
「やぁーっと自覚したかぁ!応援してるからね!」
フレイアはほっと一安心した表情をする。
食事はだいぶ前に終わっていたが、けっこうな時間長話をしていたようだ。
まわりを見ると席についてる客は自分たちだけだった。
エルドは急いで会計を済ませると、3人は兵舎に帰るため、馬を走らせた。