第81章 番外編・厳しい現実と深まる友情
「本当だ…もしかしてタリア、買い物にも行けてなかったのかな?だからあんなにやつれて…」
「そうかもしれません…あの、私今から買い出しに行ってきます!!」
「え?クレア1人で?」
「はい!雪も降ってないので1人で大丈夫です。タリアさんに何か温かい物を作って食べさせてあげたいです。なので行ってきます!!」
クレアは買い物かごを膝の上に乗せると、ハンジの返事を待たずに出て行こうとするが、何かが飛んできた。
「あぁ!待ってクレア!エイッ!!」
「ハンジさん…コレは?」
ハンジはカゴに向かって財布を投げたようだ。
「それで元気が出そうな物買ってきて!あ、あと配達とかってできないのかなぁ?もし配達してくれそうだったら日持ちしそうな食材まとめて注文してきて!」
「わかりました!行ってきます!!」
ーバタンー
車椅子を勢いよくこぎながらでかけていくと、リビングにはハンジとランスロットが2人きり。
「ふぅ…赤ちゃんとはいってもずっと抱っこしてると結構重いね…よっこらしょっと…」
ずっと抱いていて少し腕がだるくなったハンジは近くにあったイスに腰をおろしたのだが…
「ふっ…ふぇ…」
「えぇ?!」
ハンジがイスに尻をつけようとした瞬間、何かを感じとったランスロットは顔をクシャリとさせグズりだす。
「ちょ、ちょっ!ちょーっと待ったー!!」
せっかく泣き止んだのに、また泣かれでもしたら非常に困る。
クレアは買い物にでかけてしまい、今ランスロットの世話をできるのはハンジしかいないのだ。