第81章 番外編・厳しい現実と深まる友情
しかし…
「うっ…!うっ…!うぇーーん!!!」
ミルクを飲み終えたランスロットはまた顔を真っ赤に泣き出してしまった。
「おしめは替えた…ミルクも十分な量を飲ませた…ゲップもした…服は汚れていない…」
クレアは1つ1つ泣いてる理由に心当たりがないか確認するが、満腹だし清潔だし問題はない。
優しく声をかけながらポンポンと尻を叩いてみるが泣き止まない。
「クレア大丈夫?!どうしたらいいんだ?」
「ハンジさん、抱っこかわってもらえますか?きっと、立って抱っこじゃないとダメなんだと思います。」
「えぇ?!わ、私が抱っこするの?」
「はい。さすがに片脚で赤ちゃん抱っこするのは危険なので…お願いします。」
「む、無理だよ!怖いよ!!だってまだ首すわってないんでしょ?」
「そ、そうですけど…ハンジさん、生まれたら抱かせてねってタリアさんに言ってたじゃないですか?」
「確かに言ったけど…こんなに小さい赤ちゃん!怖くて抱けないよ!!」
思っていたより小さくてか弱いランスロット。
ハンジは自分の抱き方が悪くて骨でも折ってしまったらと考えるとどうしても抱いてやる事ができず、両手をブンブン振りながらへっぴり腰で後ずさりしてしまった。
「両腕でキチンと抱えれば大丈夫です!タリアさん言ってたじゃないですか…立って抱っこじゃないとダメだって。きっと座って抱かれるのがイヤなんだと思います。なのでハンジさんお願いします!あんまり泣かせたらせっかく飲んだミルク、吐いちゃいます!早くして下さい!!」
「わ、わぁー!もう!わかったよ!やってみるよ!だからそんなに泣かないで〜!!」