第80章 最終章・もう1つの花言葉
「お、おい…!?」
「ブルル…ブルンッ!!」
ダスゲニーはリヴァイの背中を額でグイグイ押すと、首を上下に振って鼻を鳴らしている。
何かを訴えてるようだ。
「ダスゲニー…どうしちゃったのでしょうか?」
「………」
少し興奮気味のダスゲニーにクレアはソワソワと心配したが、付き合いの長いリヴァイは何となく察しがついたようだ。
「何だよダスゲニー、ここで誓いのキスをしろって言ってんのか?」
「ヒィィン!!」
「ハッ、当たりかよ!」
「へ、兵長…?!」
どうやらダスゲニーはめでたく愛を実らせた2人に向かって誓いのキスをしろとはやしたてていたようだ。
リヴァイの言葉に大きく“応”と頷くダスゲニー。
「…だ、そうだ。ほら、こっちを向け。」
「え?えぇ?!こ、こんな所で…ですか?」
「誰も見てねぇよ。せっかくダスゲニーがはからってくれたんだ。応えないわけにはいかねぇだろ。」
「で、ですが…ん…んん!!」
ダスゲニーに要求されるがままなかば強引に唇を重ねたリヴァイ。
そんな2人を見てさらに興奮したダスゲニーは再度後肢で立ち上がり、祝福するかのように大きく嘶いた。
「ダスゲニーは名演出家だな。」
「兵長…ダスゲニー…」
触れるだけのキスをして唇を離したリヴァイは、口角を上げて小さく笑った。