第80章 最終章・もう1つの花言葉
「断る。」
「えぇ…?!」
「なんだよ、着替えを見たいと思って何が悪い。」
「う…うぅ……」
着替えが見たいと言い切ったリヴァイはワンピースを持って立っているクレアの方に身体を向けると、“さっさと着替えろ”と言いたげなオーラで腕と脚を組んだ。
もうこうなると、どうにもならない。
「わ、わかりました…」
クレアは渋々了承すると、クルリとリヴァイに背中を向けて部屋着のボタンを外していった。
「…………」
部屋着を脱いで黒いワンピースを頭から被ってしまえばいいだけなのだが、こんなに明るい部屋で見られてるとなると話は別だ。
鏡を見なくても自分の顔が耳まで真っ赤になっているのがわかる。
リヴァイは、いったいどんな顔をして自分を見ているのだ。
気にならないと言ったら嘘になるが、確認する勇気もなかった。
胸の下の辺りまでボタンを外し終えたクレアは胸をドキドキとさせながら両方の腕を袖から抜いた。
そのまま手を離せば、今着てる部屋着がパサリと床に落ちる。
部屋着を脱いでしまえば、その下に着用しているのは上下の下着のみ。
素肌を見られるのは恥ずかしい。
そしてこんな恥ずかしい思いなど1秒でも早く終わらせたい。
震える手でベッドに置いておいたワンピースを取ろうとしたのだが、突然背後からガタンという音が聞こえて凍りつくクレア。
気付けばリヴァイによってベッドに押し倒されていた。
「あっ…!!へ、兵長…?!」
うつ伏せでベッドに倒れたクレアはすぐに顔を上げたが、背後から抱きしめられているせいか身動きが取れない。
リヴァイはどうしてしまったのだろうか。