第80章 最終章・もう1つの花言葉
「へ、へいちょう…??どうされましたか??」
「どうもこうもない…編入してきた兵士の指揮を高めるために毎日訓練に参加している。それなのに書類仕事は待ったなしでどんどん山積みになっていく。」
「兵長…だいぶお疲れなのですね…?」
「あぁ…クタクタだ。だからクレア、俺を手伝え……」
リヴァイは背後からクレアを抱きしめながら右肩に顎を置いてため息混じりに呟く。
「はい、大丈夫ですよ。みなさんが来るのはもう少し後ですし、お仕事手伝わせて下さい。すぐに紅茶淹れますね?」
“手伝え”なんて言い方をされたのは初めてだったクレアは多少違和感を感じたが、あの机の上に鎮座している仕事の山を見ればなんとなく愚痴りたくなる気持ちもわかる。
クレアは気にせず紅茶の準備を進めようとしたのだが、リヴァイが腕を緩めてくれない。
これでは紅茶を淹れる事ができないではないか。
「兵長…?すみません…すぐに紅茶淹れますので…あの、このままではお仕事手伝えません…」
「あ…?誰が“仕事”を手伝えと言った?!」
クレアはやんわり離してくれと言ったのだが、何だか話が噛み合わない。
いったい何がどうしたのだ。
「え?それは今兵長が……」
「俺は“仕事”を手伝えなんて一言も言ってねぇ…」
「で、ではいったい…あっ…あぁ、へい…ちょう?!」
リヴァイは右手を伸ばしてコンロの火を止めると、ゴソゴソとクレアの服の中に手を入れてまさぐりだした。
「え…え?!兵長…あ…あぁん…!!」
「仕事を手伝えとは言ってない。疲れて仕事にならない俺をやる気にさせろと言ったんだ。」