第80章 最終章・もう1つの花言葉
「はぁ……」
疲れに任せて愛しいクレアを想っていたら思わず2度目のため息がこぼれた。
人類最強の兵士長といえど1人の人間。
激務が続けば疲労が溜まる事もある。
しかしその時、書類の山の頂上に置いてある一通の手紙が目に入った。
確かこれは数日前に届いた物だ。
急いで中を確認しなければならない手紙だったが、山積みの仕事に、呼び出しがかかったりと、すぐに開封する事ができないでいた。
リヴァイは仕事を中断して手紙を手に取ると、ナイフで封を切り中身を確認した。
「…………………」
書かれていた内容を一読すると自然と口角が上がってしまったリヴァイ。
「やっと…叶うな……」
どうやらその手紙にはリヴァイが密かに叶えたかった事が予定通りにいったと書かれていたらしい。
リヴァイは嬉しそうに、そしてどこか安堵したように何度もその手紙を読み返した。
ーコンコンー
すると、静かな執務室に響いたのは乾いたノックの音。
誰だろうか。
「失礼します、クレア・トートです…」
「……!?」
ノックしたのはクレアだった。
リヴァイは手紙を封筒に入れて机の引き出しにしまうと、立ち上がり扉へと急いだ。
「クレア?どうした…?」
扉を開けてやると、車椅子に座ってるクレアが少し遠慮がちな笑顔でリヴァイを見上げた。
「お仕事中にすみません…今少し、よろしいですか?」
「大丈夫だ、入れ。」
「あ、ありがとうございます…」
仕事は山積みだがクレアの方から訪ねてきてくれるのは久しぶりだ。
リヴァイは一旦仕事は後回しにして、クレアを部屋に招き入れた。