第79章 海を見に行こう!
危ないから駄目だと…言われてしまうだろうか。
ソワソワしながら返事を待っていると、リヴァイはクレアをそっと砂の上におろした。
「兵長…?」
「海に入りたいんだろう?ブーツ脱がねぇと、濡れちまう…」
そう言うと、クレアの右脚のブーツを引っ張って脱がせ、ズボンの裾を丁寧に捲くり上げていく。
「あ、ありがとうございます…」
濡れてしまわないようにと丁寧に一段一段捲くっていくとクレアの白くて細い脚があらわになった。
「…………」
片脚での生活にもすっかり慣れたクレアは、近距離の移動では松葉杖を使わずにケンケンと器用に動いてしまえるようにまでなった。
そのせいか少し筋肉質になったようにも感じる白い右脚。
それでも、それでもか細い事には変わりない。
この右脚は、今のクレアの全てを支えていると言っても過言ではない。
白くて細くて…そしてその肌は陶器のように滑らかで癖になる感触だ。
そんなクレアの健気な細い脚を、気付けば何度も愛おしそうに撫でていたリヴァイ。
「へ、兵長…?!」
「……。いや、何でもない。」
頬を真っ赤に染めて戸惑うクレアの顔で我に返ると、リヴァイは何事も無かったかのように自身のブーツを脱いで立ち上がった。
「ほら、海に入るんだろ?」
「は、はい!!……わっ!あっ!!」
差し出された手を握ると、軽々しく引っ張り上げられてしまい声が裏返ってしまう。
そのまま手を引かれて波打ち際までやってくると、サラサラとしていた砂が、海水で濡れてる感触に変わった。
「あっ…!!!」
あと一歩で、海に入れる。
クレアはワクワクと胸を高鳴らせた。