第79章 海を見に行こう!
しばらく元気にはしゃぐジャン達を眺めていたら、ハンジが声をかけてきた。
「これ本当に全部塩水なの?!凄いなぁ!!あ、何かいる!!おーい!クレアー!なんか動いた!!捕まえて食べようよ!!」
「ハンジ!毒かもしれねぇから触るんじゃねぇ!それとクレアに得体の知れねぇモン食わせるな!」
「なんだよぉ!!リヴァイは神経質だなぁ!!アハハ!!は、速い!!えい!えい!!」
ハンジはリヴァイの忠告を右から左に聞き流すと、前屈みになって何かを捕まえようと必死に手を海に突っ込み始めた。
「ハンジさんも、楽しそうですね。ここの所は執務室にこもって仕事漬けになっていたので…私、心配していたんです。やっといつものハンジさんに戻ってくれましたね!!」
「俺は仕事漬けの方が静かで平和だと思うが?」
「そんなぁ、ハンジさんは、いついかなる時でも暴走しているのがハンジさんなんです!!兵長もそう思いませんか?」
「まぁ、わからなくもないが…」
「私は今のハンジさんがハンジさんらしくて、大好きです…」
「ハッ、そうかよ…」
リヴァイとクレアがこんな会話をしているなどハンジは露知らず。
足元をスイスイと泳ぐ魚を捕まえるのに必死だ。
こんな事を言ってはなんだが、見えない何かと戦ってる酔っ払いに見えなくもない。
「……………」
それぞれが思い思いに海を堪能している姿を見ていたら、なんだかクレアも海に入りたくなってしまったようだ。
海に入りたいと言ったら、リヴァイはおろしてくれるだろうか?
「あの、兵長?私も海に入ってみたい…です。」
クレアはリヴァイの顔を覗き込むと、少し遠慮がちに聞いてみた。