第79章 海を見に行こう!
「はぁ…そういう反応は余計ヤリたくなるからやめろ…」
「ひぅっ…!!」
そう言うとクレアの耳の後ろをペロリと舐めたリヴァイ。
クレアは予想外の出来事に変な声を上げてあたふたとするが、そんな様子に構うことなくリヴァイはどこ吹く風だ。
「…………うぅ。」
こんなにドキドキさせられてしまったら壁外の空気をゆっくり堪能などできるわけがない。
恥ずかしいやらなんやらでクレアの頭はパニック状態だ。
サドルホルダーを力一杯握り直すと、今度は早く海に着いてくれと心の中で必死に叫んだ。
しばらく俯いたままダスゲニーに揺られていたが、ふと巨人に遭遇しない事に気づく。
シガンシナ区をでて随分走ったが、まだ巨人は現れていない。
人間が10人もいるのだ。
こちらの存在に気が付かないわけは無いだろうし、我々に恐怖して出てこれないというのも勿論だが考えられない。
となると…本当に巨人はいないのだろうか。
辺りを見渡しながらそんな事を考えていたら突然前方から信煙弾が上がり、クレアに緊張が走った。
ーパシュッ!!ー
「あ…!!」
色は緑。
奇行種ではなさそうだ。
「大丈夫だ。このまましっかり掴まってろ。」
巨人の出現に肩を震わせたクレアに、リヴァイは力強く励ましの言葉をかけると、信煙弾が上がった先目指して走るスピードを上げた。
しかし…
向かった先で戦闘になっている様子はなく、皆騎乗したままだ。
そして目の前には巨人が1体、大地に顔を埋めながら静止していた。