第79章 海を見に行こう!
「ご、ごめんねデイジー!私は1人で乗れないから…今日はダスゲニーとランティスに乗せてもらうことになってるの。」
「ブルンッ……」
そう言われたデイジーは、クレアを乗せて走りたかったのか、少しションボリしながら鼻を鳴らした。
「あ、あぁ…ごめんね!!でもデイジーも一緒に行くよ!!ミカサとフウが並走してくれるのよ。」
「…………」
フウとはミカサの愛馬の名前だ。
デイジーは少しいじけるように頸を縦に振ったが、クレアと一緒に行ける事がわかると頬を擦り寄せて甘えてきた。
「ふふ、ご機嫌直って良かったわ。じゃあ私ができる所まで馬装してあげるね!!」
「ヒンッ!!」
当たり前だが、以前よりもデイジーと触れ合う時間がグッと減ってしまった。
それにも関わらず、今でも変わらぬ態度で接してくれるデイジー。
それだけでも2人が深い信頼関係で結ばれていた事がわかる。
素直に甘えてくれる姿に胸がキュンとなってしまったクレアは擦り寄るデイジーの鼻を何度も優しく撫でてやった。
ブラシをかけていたら準備を終えたミカサがデイジーの鞍を持ってやってきたためクレアは馬装をミカサにバトンタッチをした。
さすがに片脚で重い鞍はのせられない。
「クレアさん。馬装変わります!!」
「あ、ミカサ、ちょうどよかった。あとは鞍を乗せれば終わりだから頼んでもいいかしら?」
「はい、大丈夫です!」
「ありがとう!宜しくね!」
ケンケンと片脚飛びで馬房を出ると、リヴァイがクレアに声をかけた。
「クレア、準備は済んだか?」
「は、はい!今ミカサがデイジーの装鞍をしてくれています。それが終われば完了です。」
「了解だ。そしたらダスゲニーに乗せるから来い。」
「はい!!」
いよいよ出発だ。
クレアの心臓はドキドキと高鳴った。