第79章 海を見に行こう!
ー1ヶ月後ー
今日は待ちに待った壁外調査の日。
クレアは期待と不安を胸に厩舎まで行くと、そこには既に皆集まり準備を始めていた。
「あっ!クレアさん!おはようございます!」
クレアの姿に気付いた104期達は次々に元気な挨拶をする。
「みんなおはよう。今日は宜しくね!」
「クレアさんの兵服姿、久し振りですね!」
「そうなの。私服はワンピースが多いから、結局着ていけそうなのが兵服しかなくて…ハンジさんに頼んで返却した兵服をもう1度出してもらったの。もう兵士じゃないんだけど、今日だけ許してね!!」
「そんな事ないです!!みんなクレアさんも行くって聞いて楽しみにしていたんですよ!!」
「一緒に見ましょう!!海!!」
「うん、ありがとう!」
クレアは両手を合わせて少し申し訳なさそうに謝るが、104期達もクレアの同行には大歓迎のようだ。
そんな様子にホッとしていたら、突然背後から兵服のジャケットを誰かが引っ張ってきた。
「キャッ!!デ、デイジー?!どうしたの?!」
ジャケットを引っ張ったのはクレアの愛馬だったデイジー。
デイジーもウォール・マリア奪還作戦から奇跡的に帰還していた。
クレアが兵士を引退してからしばらくたつが、デイジーは戦績優秀だったクレアの愛馬という事もあり、訓練兵団に返却されずに調査兵団に残っていたのだ。
クレアが乗らなくなった理由はある程度理解していたようだったが、今日は兵服を着ている。
デイジーは、久しぶりにクレアが自分の背に乗るのかと思ったのだろう。
前掻きをしながらソワソワしだした。