第78章 頑張ったご褒美は…??
「え?えぇ?!私です…か?…えーと……」
なんでこうなるのだ。
突然2人の視線がクレアに向いてしまい、その鋭い視線はグサグサとクレアの身体を射抜いていく。
非常にマズイ展開だ。
「ねぇ?!どっちなの?私?!それともリヴァイ?!」
「どっちだクレア。さっさと答えろ。」
ジリジリと詰め寄ってくる2人。
なんでこういう時はこんなに仲良しなのだ。
ジワジワと変な冷や汗をかきながら頭を抱えるクレア。
どちらかを選んでしまったらもう一方の気持ちを受け取れなくなってしまう。
だが、今クレアは選択しなければならないのだ。
クレアは唸りながら考えて考えて考えた結果…とある事が閃いた。
これだ。
2人が納得するかどうかはわからないが、もうこれしかない!!!
クレアは両手をバンとテーブルにつくと、大きな声で答えた。
「私は勝負の一部始終を見てないのでどちらが勝ったかなんて決められません。なので、こんなのはどうでしょう!!往路はダスゲニーに!復路はランティスに乗ります!!これで…これで、お2人の御主張を受け入れられるかと思うのですが……如何でしょうか!!??」
「「……………」」
勢いよく答えたクレアに圧倒され思わず固まってしまったリヴァイとハンジ。
本当は往路も復路もクレアを自身の馬に乗せたいと言うのが互いの本音だろうが、当の本人から平等且つ正論な提案をされてしまっては何も反論できない。
「う…うん…クレアがそう言うなら、私はそれでいい。」
「……了解だ。」
珍しく圧のかかったクレアの態度に、リヴァイもハンジも何か言いたげな表情を残しつつも渋々と了承した。