第78章 頑張ったご褒美は…??
クレアはまずリヴァイの呼吸を確認するために口元に顔を近づけた。
のだが……
「ゔぇっ……!!!」
強烈なアルコール臭が鼻を刺激して思わず鼻をつまんで仰け反ってしまった。
「何、このニオイ…お酒?」
クレアは床に転がっているハンジの呼吸も確認しようと顔を近づけたのだが…
「オェッ……!!」
リヴァイと同様の強いアルコール臭が吐息に混じっていた。
犯罪や事故の可能性が薄れてくると、段々と周りが見えてきたクレア。
ごちゃごちゃと散らかっていて気づかなかったが、よく見ればテーブルには大きな酒瓶と、ショットグラスが2つ、仲良く並んでいるではないか。
「ハンジさんと兵長が…ここでお酒を飲んでたの?」
明日は休日だ。
仕事を切り上げて飲んでいてもなんら不思議ではないが、酒豪レベルで酒に強い2人がこんな時間に潰れるなんて不自然すぎる。
ひとまず2人を起こそうとクレアは身体を揺すりながら大声で叫んだ。
「ハンジさん!!ハンジさんってば…!!兵長も、いったいどうしちゃったんですか?!起きて!起きて…下さい…!!」
何度も何度も腹の底から叫んで呼びかけると、2人の眉が同時に動いた。
「ん…んん……」 「……………」
「あっ!!お2人とも、気が付きましたか?」
目を開けた2人は、ムクリと起き上がると、少しバツが悪そうにクレアから目をそらした。
「あ、クレア…いやだなぁ…アハハ…見つかっちゃった?」
「み、見つかったも何も…お2人が倒れてたので私心配したんですよ?!いったい何があったんですか?」