第78章 頑張ったご褒美は…??
「ハンジさん、まだ仕事してるわよね…」
食堂での寄り道で予定より少し遅くなってしまったが、昼食もとれない程忙しかったのだ。
きっとまだ書類と睨めっこしているに違いない。
ハンジの執務室の前まで辿り着いたクレアは扉をノックしたのたが…
ーコンコンー
「……………」
中からの返事が無い。
もう1度叩いてみるも、反応は無かった。
「…もう自室で休んでるのかしら?」
しかし、ハンジの事だ。
燃料切れを起こして居眠りをしているかもしれない。
そうだとしたら誰かに運んでもらわなければ身体を痛めてしまう。
クレアは無礼を承知でドアノブを回すと、スッと素直に扉が開いた。
鍵がかかってないのなら中にいるはずだ。
「ハンジさん…?クレアです…失礼します…ね?」
そっと扉を開いて中に入ると、信じがたい光景が目に飛び込んできた。
「ハ…ハンジさん?!それに兵長?!」
ごちゃごちゃと散らかっている執務室。
そして目の前には応接セットのソファに倒れているリヴァイと、向かいのソファの下に倒れているハンジ。
いったい何か起こったのだ。
クレアはトレーを簡易キッチンに置くと片脚で立ち上がり、ケンケンと2人の側に駆け寄った。
考えたくはないが、調査兵団をよく思わない者から攻撃を受けたのだろうか?
それともハンジの実験薬か何かが変な化学反応でも起こして気を失ったのだろうか?
「ハンジさん!兵長!!どうしたんですか?!」
呼びかけるも反応がない。
医師を呼びたいが、とにかく呼吸を確認するのが先だ。