第78章 頑張ったご褒美は…??
「ほらよ!持ってきな。そういやハンジさん、今日昼飯食いに来なかったなぁ。ちゃんと食事するようにクレアからも伝えといてくれよ。」
「そうだったんですか?きっと壁外調査が決まってお忙しくなったんですね!わかりました。ちゃんとお伝えします。」
「おうよ!あと医務室クビになったらこっちはいつでも大歓迎だからな〜!」
「えぇ?!いきなりなんですか?」
「兵士クビになったら調理場来いってツバ付けといたのになんの相談もなく医務室行っちまったからなぁ。医師免許取れなくてクビになったら迷わずココに来いよな!!人手不足なんだよなぁ。」
そう言って年配の料理長はニッと笑って親指を立てた拳を前に突き出した。
「も、もう、またその話ですかぁ…勝手にクビとか言わないで下さいよ…それに医務室での勤務はハンジさんからの提案だと何度も申し上げたではありませんか。」
「はぁ、そりゃ残念だなぁ…」
腕を組んで実に残念そうだ。
調理場の職員とは暇さえあればこんなやり取りばかりだ。
よっぽど人手が足りないのだろう。
「わ、わかりましたよ…そしたら今度、安い材料費でも作れるレシピ、何か考えて持ってきますよ。」
「お!話がわかるねぇ!!助かるよ!」
どんな理由であれ、退役した自分をスカウトしてもらえるのはありがたい事。
しかし、どんなに力になってやりたくても、調理場の仕事まで手伝うのはさすがに不可能だ。
今のクレアにできる事といえば何か安くて簡単にできる美味しいレシピを提供するくらいだ。
幸い最終試験も終わっているため、近日中に持って行ってやれるだろう。
クレアは新メニューのレシピ提供を約束すると、膝の上にトレーを乗せて、再びハンジの執務室へと向かった。