第78章 頑張ったご褒美は…??
廊下の窓から見える景色はすっかり日も暮れ夜だ。
遅くまで仕事をしていたが、明日は休日。
もちろんハンジも休みだ。
しかし、近いうちに壁外調査が決定していたため、書類仕事も増えてるはず。
クレアは合否通知の件を聞きに行くついでに少し仕事の手伝いでもしようと思いついたのだ。
「そうだ、それなら蜂蜜とレモン入りの紅茶を淹れてあげたらハンジさん喜ぶかもしれないわ。」
ふと閃いたアイデアに心躍らせると、クレアはひとまず食堂へ寄り道をした。
「すみません…!ちょっといいですか?」
夕飯のピークは過ぎていたため食堂は空いている。
クレアは車椅子から立ち上がってカウンター越しに調理場の中を覗くと、いつものメンバーが賑やかに世間話をしながら仕事をしていた。
「お、クレアじゃん!これから晩メシか?」
「い、いえ…実はまだやる事があって…あの、蜂蜜とレモンを少しわけていただきたかったのですが…」
「蜂蜜とレモン?別に構わないが…ん?あれか?今からリヴァイ兵長の所に行くのか?若いね〜!!」
「ち、違います!!ハンジさんの所へ行くんです!!もう!!」
どこからどうバレたのかは不明だが、ウォール・マリア奪還作戦を境に、調理場の職員にまでリヴァイとの関係が知れ渡っていた。
公に交際宣言をしたわけではないのに今ではもう兵団内の人間全員が2人の関係を知っているため、クレアは時々こんな風にからかわれてしまう。
「ガハハ!!ハンジさんの所だったか!すまんすまん!ちょっと待ってな!」
「あ、ありがとう…ございます…」
少しむすくれながらも礼を言うと、1分もたたない内に、手際よく切られたレモンと小さなカップに入った蜂蜜がトレーに乗せられてカウンターに出てきた。