第77章 自称・約束を守る誠実な男
「だよな…作戦の前夜にヤリてぇヤリてぇとピーピー泣いてた奇行種が、いまさら眠いだの疲れただの…言うわけないよな?」
フンと鼻を鳴らしながら口角を上げてとんでも発言をしてくれたリヴァイ。
クレアは驚愕しながらも腹の底から全否定をした。
「へ…兵長…?!わ、私そんな事、言ってません!!」
「あ?!俺の前で服脱いで早くシテくれとせがんだのは……」
「あぁぁぁぁ!!兵長!!そういった事実があった事は認めますが、私は決してそのような言い方はしておりません…!!もっと!もっと!ソフトな言い方をしたはずです!!」
あの時の行動や発言にもちろん嘘はない。
でもこうして改めて言われてしまうと顔から火が出そうなほど恥ずかしい。
クレアにとっては、できればあまり蒸し返して欲しくない話題であった。
「はぁ…この際どっちでもいい。とにかく…俺が我慢をしていた事は理解できて…いるんだな?」
「………うっ…」
リヴァイの言葉はいちいちクレアの心を激しく揺さぶる。
からかうような言い方をしたかと思えば急に真面目な顔で見つめたりと…
いつもいつもリヴァイのペースで、これではクレアの心臓はいくつあっても足りないだろう。
「あの夜にした約束は…忘れてはいません…ただ、突然だったので…驚いただけです。が、我慢してくださった…という事は、私の身体を気遣ってくれたのですよね…?その事については…お気遣いありがとうございます…でも、兵長ばかり…ズルイです……」
「……?何がズルイんだ?」
何もズルイ事をした覚えのなかったリヴァイにとってはまさに寝耳に水状態だったが、頬を赤く染めながらボソボソと喋るクレアの言葉に耳を傾けると、その内容に何度目かのため息をついた。