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ハンジ班の奇行種【進撃の巨人/リヴァイ】

第76章 慟哭と、その向こう側に見えたモノ






「モブリットは、自分に子供ができていたなんて知らないまま死んでしまったけど…でも、タリアさんの事を本当に大切に想っていたんだと思う。モブリットはもし自分が死んでも、タリアさんだけは幸せに生きて欲しいって、そう強く願っていたはずだ。じゃなきゃこんな金額遺せない。私が言うのは本当に変だけど…モブリットの血を継いだこの子のためにも、どうか幸せに生きて欲しい。そのために、このお金はタリアさんに受け取ってもらいたいと、私も思っている…」




「ハンジさん…」




「モブリットは、私とクレアを巨人の攻撃から守って…死んだんだ…正直な事言っちゃうと…この私もまだ立ち直らなきゃって前を向き始めたばっかりなんたけどね。だからさ…タリアさんとモブリットの子供、生まれるの…私は楽しみにしてる。」




ハンジはモブリットに子供ができていたなど、最初は当然だが驚いた。

しかしよくよく考えればモブリットと、そのモブリットが自分への想いを断ち切って、愛そうと心に決めた女との子供だ。


守りたい、守ってやりたいと思う感情がごく自然とハンジの胸からわいてきたのだ。





「ハンジさん…私……」



「私ができる事なら、なんでも手伝うから…なんでも言って?なんていうんだろう…せめてもの罪滅ぼしっていうの…かな…?ん〜、ちょっと違うかな?まぁ…モブリットが大切にしていたものは、私も大切にしたいと思ったって事!!」



ハンジはそう言うと、タリアの前に膝をついて、まだ命が宿ったばかりの腹を優しく撫でた。



「モブリットは、ずっとこの子の中で生き続けているよ。子供を産んだ事のない私が偉そうに言えないけどさ…そう思いたいんだ…」




「モブリットが…この子の中で生きて…いる?」





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