第75章 導きと再会
この話にまだ続きがある事にも驚いたが、そこに登場した人物にも驚いたリヴァイ。
あまりにも予想外な展開に、目が点になってしまった。
「そして私が迷わずに兵長のもとへと戻れるように、案内してくれたんです…」
「…そうか……何か、話はできたのか?」
「自分が天に召されたのは、この時のためだったと思うって…言われました…私はなんだか自分に都合のいい解釈をしているようで…なかなか素直に受け止められなかったのですが…」
「…俺も…そう思う……」
「え…?」
“そう思う”とは、どちらの言葉に対しての賛同なのかわからず、クレアは変な声で聞き返してしまった。
「天に召された理由の方だ…あの時にも言ったが、この別れには本当に意味があったんだ…お前を助けるという……大きな意味が……俺は、そう思いたい…」
「兵長……」
「他には…?」
「……できた話は…これだけでした……」
本当は、また自分の胎内に宿りたいと言われていたが、それをリヴァイに伝える事はしなかった。
隠し事をしたいわけではなかったが、これをそのまま言ってしまうと、リヴァイに今以上の関係を強要してしまうのではないかと思ったクレア。
リヴァイはこれからも自由の翼を背に戦う兵士長だ。
今回生き残った104期も、これから入団してくるであろう編入の兵士も、今までずっとそうであったように、皆リヴァイに憧れ、その背中を追いかけるはず。
そんなリヴァイの重荷には決してなりたくない。
恋人としての関係を続けられるだけで感謝をしなければ、いずれバチが当たるだろう。
そんな風に考えたクレアは、言わない方がいいと判断したようだ。