第75章 導きと再会
そんな事を考えていたら医務室の扉が開いた。
「あ……兵長…」
入ってきたのはリヴァイだった。
「お仕事は終わったんですか…?」
「いや…終わってはいないが、終わらせてきた。」
「そ、そうですか…」
何とも歯切れの悪い返事だ。
もしかして、エレン達に仕事を押し付けてきたのだろうか。
「今朝、あまりゆっくりと話せなかったからな…クレア、これから会いに行くか?」
「え?どなたに…ですか?」
「…エルヴィンだ。」
「だ、団長に…ですか?」
驚いているクレアに、リヴァイはエルヴィンの遺体を持って帰ってこれた事を説明してやった。
地下室の調査中、調査後、共に敵と思われる存在が現れなかったため、可能となったのだ。
「…………」
もう埋葬されてしまっているため顔を見る事は叶わないが、公私共に今までたくさん世話になったエルヴィン。
手を合わせて安らかな眠りを願いたいと思うのは、ごく自然な事だろう。
「私、団長に…会いたいです……」
「了解した…」
クレアの返答を聞くと、リヴァイは医務室の奥から車椅子を持ってきた。
「エルヴィンの墓は兵士の共同墓地だ。ほら、これに乗れ。」
目覚めたばかりのクレアは、松葉杖で歩くのはまだ難しい。
リヴァイは布団をめくって抱き上げると、そっと車椅子に座らせた。
「…?点滴は、外したのか?」
「はい、昼食も食べられたので、先生が外してもいいと仰ってくれて…外してもらいました。ただ、ちゃんと薬を服用しないとさすがにまだ痛むそうです…」