第75章 導きと再会
「先生、こいつはなんか食っても平気か?」
「クレア君の朝食ですね?まずはスープからにしましょう。問題なければすぐに食事は戻せますので。」
「了解だ。クレア、持ってくるから少し待ってろよ。」
「ありがとうございます兵長…」
あまり空腹感はなかったが、少しでも食べといた方がいいだろう。
クレアは素直に礼を言うと、リヴァイは朝食を、取りに一旦医務室を出ていった。
リヴァイは昼こそは2人きりになってやろうと意気込んでいたのだが、昼は昼でクレアが目覚めたと知った104期が押しかけてきて、それはそれは賑やかな昼食となった。
この時点でリヴァイの不機嫌メーターがマックスになったのは…言うまでもないだろう。
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賑やかな昼食後、クレアは少し眠った。
目が覚めて窓の外を見ると、日が傾きかけているのに気付く。
時計の針は4時をまわろうとしていた。
この時間は普段ならまだ訓練の時間だが、窓の外はとても静かだ。
リヴァイは内勤で1日が終わると言っていたが、ジャン達は今頃どんな仕事をしているのだろうか。
長い眠りから意識を取り戻した奇行種クレアは、さっそく退屈になってしまった。
「……………」
そんな静かなベッドの上でボンヤリとしていると、改めて考えてしまう。
ウォール・マリア奪還作戦から、本当に生きて帰還できたんだという事を。
まだ課題はあるが、壁内の巨人が掃討されれば、そう遠くない未来に自分はシガンシナ区の生家に行ける。
毎月の給金は決して多くないが、慎ましく生活していたためある程度まとまった金額が手元にある。
両親のために、小さな墓くらいなら建ててやれそうだ。