第75章 導きと再会
「へ、兵長…!!ハンジさん!!」
「あぁん!!もう!!わかったよ!!」
いつもなら“リヴァイは神経質だ”とか何とか言いながら食い下がるハンジだが、脚の切断と高熱でずっとうなされていたクレアに何かあったら大変だ。
細菌扱いされる事には一言物申したかったが、リヴァイのメリメリ攻撃は冗談抜きに頭蓋骨が割れそうになる。
ハンジは地団駄を踏みながらも了承すると、医務室の扉を開けるが、クルリと振り返りリヴァイにある要求をした。
「今から部屋戻って大急ぎでシャワー浴びてくるから……」
「急ぐんじゃねぇよ!!時間かけて洗ってこいよ!!」
「うるさいなぁ!!急ぐったら急ぐ!!だからリヴァイ!私の分の朝食もここに持って来といてね!!ここで食べるから!!」
「はぁ…?!」
「じゃあ、宜しく〜!!」
そこまで言うと、ハンジはリヴァイの返事を聞かずに後ろ手を手振って医務室を出ていってしまった。
「あんのクソが…!!」
リヴァイはハンジを追い出してクレアとゆっくり朝食を食べるつもりでいたのだが…
どうやら作戦は失敗したようだ。
「ハンジ団長もずっとここに泊まってましたからね。無事に目覚めてくれてさぞお喜びでしょう。」
「はぁ…心配するのは結構だが風呂も入らず医務室に籠るのは迷惑だ。ったく……」
医師がフォローを入れるが、リヴァイの眉間のシワは深いままだ。
「兵長……」
「まぁいい…頭からシャワーを浴びればある程度は流れるだろう。」
リヴァイは吐き捨てるように呟くと、握っていた手を離して立ち上がる。