第75章 導きと再会
「私…1ヶ月も…眠ってたんですか?」
「そうだ…」
「兵長はその間…ずっとこうしてくれてたのですか?」
「片付けなければならない仕事もあったからな…ずっと側にいたわけではないが…可能な限りは側にいたつもりだ…」
「そ、そうでしたか…ご心配おかけしました……」
きっとリヴァイはろくに眠らず、ずっと側にいてくれたに違いない。
でなければ目の下にこんな酷いクマ、できるわけないだろう。
「目が覚めたなら先生を起こしてくるが…脚は痛むか?」
「あ…えと…多分薬のおかげだと思いますが…痛みはありません。」
クレアは自身の右腕に打たれている点滴を見て答える。
きっと痛み止めも入ってるはずだ。
「そうか…お前は切断した部位から細菌感染を起こしてずっと高熱を出してたんだ。トロスト区に帰還した時点で足の損傷も激しかった。膝下まで切断したと聞かされた。」
「そ、そうなんですか…」
消毒もされていない刃物で切ったのだ。
命を優先させるために、大幅に切断される事は予想できていた。
しかし、布団をめくって改めて見ると、なんとも言えない違和感があった。
「熱は5日前に下がったばかりだ。体調はどうだ?」
「少し怠いですが…苦しくはないです。なので…先生は起こさなくて大丈夫です。まだ早いのでもう少し寝かせてあげましょう。」
「了解した…じゃああのクソはどうする?」
「え…?!」
リヴァイが親指でクレアの右側のベッドをさすと、そこにはブーツを履いたまま大の字で眠ってるハンジがいた。
「え…?えと……これはいったいどういう…」
ハンジも目に大ケガを負っていたが、この寝方を見る限り絶対安静というわけではなさそうだ。