第75章 導きと再会
「ど…どうして…あなたがここに?」
「ずっと、見てたから…」
「え…?」
「母さんの事、天(そら)の上からずっと見てたんだよ。自分を責めて泣いてないかなとか…訓練無茶してないかなとか…あと、危険な目に遭ってないかな…とかね。」
大きなクッションのようにクレアを支えている光りの集合体は、キラキラと輝きながら真っ暗闇の中心をポッカリと照らしている。
「そしたら…本当に…大ケガしてて…このままじゃ死んでしまうかもしれないと思ったら…いてもたってもいられなくて…」
「もしかして…私を助けようとしてくれた…の?」
「うん……本当は死後の世界の入口で待ってようと思ったんだけど…すでに大勢の人達がいたから…私はこっちでママが迷わず戻れるように案内してあげようと思ったんだ。」
美しく輝く光りの集合体は、その小さく尊い命を守る事のできなかった自分を…助けてくれただけではなく…
また…“母”と呼んでくれた。
「あ…ありがとう…それと…あの、ごめんなさい…」
「どうして謝るの…?」
「だって私…あなたの事、守ってあげられなかった。身籠った事にも気付かずに…」
「お母様…自分を責めないでって言ったでしょ?きっとあの時僕が天に召されたのはこのためだったんだと思うんだ…」
「え…?」
「こうして生死を彷徨った母さんを、無事にお父様のもとまで案内するため…それが私が天に戻った意味…そう思ってる。」
「……………」
リヴァイはあの時言っていた。
この別れには、きっと意味があったんだろうと…
本当に、そうだろうか?
そんな都合のいいように解釈しても…いいのだろうか。