第75章 導きと再会
そしてクレアの耳元で囁く。
「リヴァイ兵長と、“ちゃんと”、幸せになって下さいって…約束したでしょ?」
「え……?!」
「あれ?その様子だと、忘れてましたね?!」
「そ、その…あの……」
クレアはあの時に言われた言葉を忘れてはいなかったが、こんなことろで改めて聞かれるとは思ってもみなかったため、しどろもどろになってしまう。
だが、アンドレはモジモジと戸惑っている姿を見ながら握っていた手を離すと、クレアの両肩を思いっきり押した。
ードンッ!!!ー
「キャッ!!ア、アンドレ?!!」
「今度こそ約束ですよ!!リヴァイ兵長と“ちゃんと”、幸せになってくださいね!!それと!もうここには来ちゃダメですよ!!じゃあ、お幸せにー!!」
アンドレに肩を押されたクレアはバランスを崩して後ろに尻餅をつきそうになったが、突然地面が真っ黒になると、クレアの身体は底の見えない空間に落下していく。
「キャァァァァァァァ!!!」
何が起こったかわからず悲鳴を上げたが、どんどん小さくなっていく仲間の顔は皆笑顔だ。
皆笑顔で手を振っている。
「クレアー!!私ずっと…ずっと見守ってるから!!」
フレイアが叫んだ言葉が最後だった。
次の瞬間には周りも真っ暗になり何も見えなくなってしまう。
「ど…どうすれば…いいの…??」
このままの速度で底に叩きつけられたら、死後の世界の入口など通らなくても、もう立派に死人だ。
何故アンドレがこんな事をしたのか、何故皆はこんな自分を見ても笑って手を振っていたのかわかぬままクレアはどんどんと落下していく。