第74章 選択と衝突と決断
「お前らもわかってるハズだ…エルヴィンの力無しに人類は巨人に勝てないと…」
「…そうだよミカサ…もうやめろこんな馬鹿なマネ……」
「…ア…アルミンがいなくたって…無理だ…」
「エレン!!」
「アルミンがいなきゃ勝てない…だって…そうだったでしょ…?トロスト区を岩で塞いで守る事ができたのも…アニの正体を見抜いたのも…夜間に…進行する事を思いついたのもアルミンだ!潜んでいたライナーを暴き出したのも…ベルトルトを倒す事ができたのも全部…アルミンの力だ!!人類を救うのは俺でも団長でもない!!アルミンだ!!そうだろミカサ!?」
「兵長…渡して下さい!!」
「………ッ!!」
「……人類を救うのは、エルヴィン団長だ!!」
「黙ってられるか……!!」
「まじ…かよ……」
屋根の上には、四肢を切断したベルトルト。
それに瀕死のアルミンとエルヴィン。
どちらに巨人化の注射を打つかで揉めていた。
いや…揉めていたどころの話ではない。
もはや奪い合いに発展していた。
ハンジ一行が屋根の上までたどり着くと、そこにはリヴァイに刃を向けているミカサに、リヴァイに殴られたであろうエレン。
そして編入で調査兵となったフロックで乱闘寸前だ。
「巨人を滅ぼす事ができるのは…悪魔だ!!悪魔を再び蘇らせる…それが俺の使命だったんだ!それがおめおめと生き残っちまった…俺の意味なんだよ!!だから…邪魔するなぁぁ!!」
リヴァイに馬乗りになっているミカサをどけようとフロックが殴りかかる。
そしてミカサも剣を振り上げる。
ダメだ。
これでは兵団内で殺し合いが起こってしまう。