第74章 選択と衝突と決断
ハンジとクレアはベルトルトの爆風で104期とは一時離れ離れになっていたため、エレンとアルミンが超大型巨人と戦っているという事実を知らなかった。
「はい…あの爆風でハンジさん達の安否がわからなくなってしまいましたが、アルミンが…何か策を閃いたようで…2人にベルトルトを託しました…ですが…」
「超大型巨人が…いない…?」
皆ライナーとの戦闘に集中しきっていて、超大型巨人の姿が見えなくなっている事に気づかなかった。
「エレンとアルミンで倒したの…?それとも…」
エレンとアルミンがベルトルトを倒したのか、それともやられてしまったのか…
ここからではわからない。
「そしたら…こうしよう…ミカサ、すぐにエレン達の状況を見てきてくれ。そしてガスを補給し、リヴァイから注射薬を貰ってこい。リヴァイ達の状況もわからないからな…何らかの理由で叶わない場合には信煙弾を撃て。それを合図にライナーを絶つ。」
「了解です…」
ミカサは命令通りすぐに飛び立とうとしたのだが…
踏みとどまると振り返り、ハンジとクレアの顔を見た。
「どうした…?」
「ハンジさん…その…モブリットさんは…」
1人足りない事に気付いたミカサが気不味そうに問いかけると、ハンジは少し瞳を曇らせながらもはっきりと答えた。
「モブリットは…死んだよ…でも、モブリットが守ってくれたから私とクレアは生き延びる事ができたんだ。だからこの命は…無駄にするつもりはない…」
ミカサだけでなく、ジャンもコニーもモブリットの戦死に衝撃を受ける。
だが、ハンジ班はベルトルトが巨人化する瞬間、1番近くにいたのだ。