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ハンジ班の奇行種【進撃の巨人/リヴァイ】

第74章 選択と衝突と決断






「渡すかどうかは…中身を改めてからね…」




ユミルもライナーも、ヒストリアに特別な感情を持っている事は皆知っていた。

手紙というのはおそらく嘘ではないだろう。





「さて…聞きたい事は山程ある…」




ハンジはその場で立ち上がると、四肢を切断され肉だるまとなったライナーを見下ろしながらスラリと抜剣する。


この鉄のケースが爆弾の類でないのなら結構だ。




「君の口も鎧のように堅そうに見える。君は…私達が知りたい事を教えてくれるかな?」




「いいや…」




「……………」




きっとライナーは何をしても口を割らないはずだ。

そう考えていたハンジは、ライナーの返事を聞いてもさして騒ぎはしなかった。

この壁内に有力な情報を話すつもりがないのならこんな問答は無用。

サシャは気を失っている。

クレアもそろそろ危ない。


それならライナーは…ここで始末する。






「…ありがとう。覚悟ができてて助かるよ。」





ハンジの放った言葉で何をするのかすぐにその場にいた全員理解できた。




ハンジは刃を横にすると、思い切りライナーの首元に踏み込み首を跳ねようとしたのだが…




「…待って下さい!!」




ライナーの首に刃が半分めり込んだところでまさかのジャンがハンジを止めた。




「グッ……」




「いいんですか?その力…奪えるかもしれないのに…」




リヴァイに託された巨人化する注射液の用途は全兵士に伝えられている。

使用権限はリヴァイにあり、1本限りだと言う事も皆知っている。




目の前には四肢を切断されたライナー。

ジャンは鎧の力を奪えるかもと思ったが、ハンジはそのような判断には至らなかった。






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