第74章 選択と衝突と決断
「わかった…ここで縛ればいいの…?」
「はい…これ以上出血しないように…キツく縛って下さい。」
「うん…わかった……」
ハンジが言われた通りに思い切り縛ると、クレアの顔が苦痛に歪んだが、これ以上の出血は命に関わる。
言われた通りにハンジはキツく縛った。
「ありがとうございますハンジさん…!さっ、行きましょう!!」
「ちょっ…クレア大丈夫なの?!」
「まだ…大丈夫です…!!」
本当のところ、痛みで頭がでどうにかなりそうだ。
その上、左足がなくなってる事にまだ身体が慣れていない。
真っ直ぐ立とうとすると変にバランスが崩れてしまい、クレアは右側に体重をかけながらなんとか立っているという感じだった。
「じゃあクレア!!私が先に行くから!!ゆっくりついてきて!!」
どこにどんな敵が潜んでるかわからないのだ。
ハンジはクレアより前を飛びながら、ライナーとベルトルトのもとまで急いだ。
「ハンジさん!あ、あそこ!!」
「あれは…ミカサか?!」
「はい!それにコニーとジャン、サシャも確認できます!!」
ライナーと戦うミカサ達を先に確認した2人は、ひとまずそちらへ加勢する事にした様だ。
しかし、あともう少しという所でサシャとジャンが負傷したように見えた。
あと雷槍を持ってるのはミカサだけだ。
おそらくは3人でライナーの顎を砕いて口をあけさせ、ミカサがとどめを刺すという算段だったのだろう。
しかし、あの様子だと失敗したようだ。
あと1本ではとどめを刺せない。