第71章 ウォール・マリア奪還作戦
「リヴァイ兵長!!」
「リヴァイ兵士長…!!」
「獣の巨人から投石だ!全員馬を連れて壁側に後退しろ!!」
「承知しました!!」
「急げ!!射線の死角を移動しろ!!」
ードドドドドドドォン!!!ー
「うわぁぁぁぁぁ!!!」
「オイ立て!!死にてぇか!?」
やっとの事で壁際まで後退すると、エルヴィンが壁上からおりてきて合流する事ができたが、前方の家屋はほぼ消し飛び、もう目の前まで投石が届いてしまっている。
「エルヴィン…状況は…?」
「最悪だ。あの投石が続けばここもすぐに更地になり我々が身を隠す場所は無くなる。」
「壁の向こう側には逃げられそうにないのか?」
「あぁ…“超大型巨人”がこちらに迫ってきている。家屋を燃やして炎をそこら中に撒き散らしながらな…仮に兵士が壁で投石を逃れても馬は置いて行くしかない。ここを退いてもその先に勝利は無いだろう。」
「エレンやハンジ達はどうなっている?見ていないのか?」
「あの閃光と爆風で確認できなかった。だが大半はあの爆風に巻き込まれた様だ…我々は甚大な被害を受けている。あの小型の巨人は我々を1か所に集まるように仕組まれた罠だったのだろう。現に前方で戦っていたディルク、マレーネ、クラース班は先程の投石で全滅している。」
「それは俺も確認した…」
「つまり内門の残存兵力は新米調査兵士の諸君達とリヴァイ兵士長、そして…私のみだ。」
ードドドドドドドォンッ!!!ー
「うぁぁぁぁ!!」
「もうだめだぁぁ!」
「何で俺…こんな所に…」
投石もすぐそこまで迫ってきている。
「エルヴィン…何か…策はあるのか?」
リヴァイは新兵の絶望の叫びを聞きながらエルヴィンに問いかけた。