第71章 ウォール・マリア奪還作戦
「ライナー、1つ頼みがある…僕はこの辺りを吹き飛ばす…可能ならこの巨人の身体を仰向けにして耐えてくれ…できなかったらすまない…覚悟を決めてくれ…終わらせてくる!」
そう声をかけると、ベルトルトは立ち上がりライナーに背を向けた。
「ひとまず助かった…のかな。ベルトルトがライナーの状態に気付いて攻撃を中断したんだ。何にせよ我々の作戦目標が目の前に飛び込んできたんだ。好都合だと言っていいだろう…」
「ハンジさん!ベルトルトが前方より接近です!!命令を!!」
クレアがベルトルトの接近を確認すると、ハンジは叫ぶ。
「作戦は以下の通り!!リヴァイ班はアルミン指揮のもと、エレンを守れ!!クレアとモブリットは私と一緒に目標2体を仕留める!鎧にとどめを刺せ!“超大型巨人”は作戦通り!力を使わせて消耗させろ!」
「「はい!!」」
クレアとモブリットはハンジの号令と共にライナーの方に向かおうとしたが、アルミンが待ったをかけてきた。
「アルミン何を?!」
「これが、最後の交渉のチャンスなんです!!」
アルミンはハンジの許可を待たずに1人で前に出ると、ベルトルトに向かって叫んだ。
「ベルトルト!!そこで止まれ!!話を!話をしよう!!!」
呼びかけに対し、ベルトルトは素直に応じたが、アルミンの説得も、アニの拷問を匂わせる話にもまったく聞く耳をもたなかった。
ベルトルトが主張したのは、エレンの引き渡しとこの壁内の人間の死滅のみ。
それ以外の話には耳をかさず、ミカサの奇襲をも跳ね返し、去って行ってしまった。