第71章 ウォール・マリア奪還作戦
ミカサがエレンを抱えて無事に戻ってくると、そこにいる全員で周囲の見張りだ。
「敵は?!」
「見えません!!」
「くまなく見張れ!!それと…穴は?!」
ーパシュッ!!!ー
すると、下から信煙弾が上がる。
「兵長!ハンジさん!成功です!しっかり塞がってます!!」
「やった…!」
まずは第一関門クリアだ。
「エレン?立体機動装置と…調子は?」
「立体機動装置は…無事です!調子も問題ありません!訓練通り次もいけます!」
「では内門に向かう!!移動時に狙われぬようしっかり顔を隠せ!!」
マントを硬質化した巨体に持っていかれてしまったエレンはミカサからマントを借りると、しっかりとフードをかぶり飛び上がる。
「本当に…塞がったのか…?あの時の穴が…こうもあっさり?」
「エレン、自分の力を信じて!!」
これまでに何度も“作戦”と名のついたモノを遂行してきたが1度だって“予定通り”になどなった事がないのだ。
エレンが呆気に取られるのも無理ないだろう。
しかし、そんな様子を見てリヴァイが厳しい言葉を投げかけた。
「まだだ…ヤツらが健在なら何度塞いでも壁は破壊されちまうんだ!!わかってるな?ライナーやベルトルトら全ての敵を“殺し”きるまで…ウォール・マリア奪還作戦は完了しない!!」
リヴァイの言う通りにライナー達を“殺しきる”までは作戦は完了しない。
でも、その覚悟はもう決めてきたはずだ。
「当然……!!わかっています!!」
エレンは鋭く睨むリヴァイを真っ直ぐに見てそう答えると、エルヴィン達が待機している内門まで大急ぎで向かった。