第71章 ウォール・マリア奪還作戦
「クレア、大丈夫?怖い?」
「え…?!」
険しい表情のクレアを心配してか、ハンジが声をかけてきた。
「ごめんなさい!!ご心配おかけして…私は大丈夫です!足元には気をつけます!!」
「本当に?無理してない?いいんだよ?クレアが“怖〜い!”って言ってくれたら私全力で守るし!!」
ハンジは鼻息を荒くしてクレアに顔をズイッと近づける。
「あ、ありがとうございます。でも本当に大丈夫です。今向かってるシガンシナ区は、エレンの生家があるのと同じ様に、私の生家もあるので…少し故郷を懐かしんでるくらいです。とは言っても私の家はもうペシャンコなんですけどね…!!」
クレアは元気づけようとしてくれたハンジに礼を言うように、笑顔で答えた。
「そっか…そうだったね。クレア、前から言ってたよね?ご両親のお墓を建てたいって…でも……」
その先が言いづらかったのか言葉を詰まらせてしまったハンジだったが、クレアはなんてない顔で答える。
「今回の作戦に成功しても、私の生家までは確認しに行く余裕はないってお話ですよね?」
「クレア…」
「作戦に成功すればまた来れると思ってますので…ハンジさんはお気になさらないで下さい。それより、エレンの生家の地下室に有力な情報が眠ってると、信じましょう!」
そう、ウォール・マリアを奪還し、その中にはびこる巨人を殲滅させればシガンシナ区にはまた戻ってこれる。
人の力を使わなくても巨人を倒す兵器も稼働してるのだ。
シガンシナ区の穴さえ埋めてしまえば、実家に墓を建てる事も夢ではなくなる。