第70章 前夜・交わる想い
「だから…兵長…お願いです……」
確実に2人で過ごせる時間が残りわずかとなってしまった今、お互いが求めるモノが一致しているのなら、もう何もためらう事はないだろう。
「…間違って“傷”が残っちまっても…文句無しだぞ…」
「そんなの…構いません…!!」
最後の最後にリヴァイはクレアの気持ちを再確認したが、そんな確認など不要であった。
「上等だ……!!」
「兵長…ん…!んん……!!」
ぶつかり合うように重なった唇は、欲望のまま、すぐに舌が絡み合う。
先程の別れ際にした、親が子にするような優しいキスではない。
互いの身体を求めて、快楽の底まで真っ逆さまに堕ちていくような、濃厚なキスだ。
リヴァイは激しく口内を貪りながらもクレアの上下の下着を剥ぎ取ると、クレアも懸命にリヴァイと舌を絡めながら着ているシャツのボタンを全て取り脱がせた。
「あぁ…あぁぁん…!!兵長…!!」
すると、今度は細い首に噛みつき次々と赤い跡をつけていくリヴァイ。
「ん…んん…あぁ…あぁ…あぁぁん…!!」
いつもより吸いつく力が強くて、そして歯をたてているせいか痛い…
でも、その“痛み”すら全てが愛おしい。
クレアは切なく疼くこの快感に声を上げて啼いた。
一方リヴァイは、クレアから香ってくるキンモクセイの香りに情欲を駆り立てられ理性が壊れる寸前だった。
この香りはリヴァイに安らぎを与える時もあれば、こうして雄の本能を刺激し暴走させてしまう時もある。
今宵はこの香りに本能を刺激され、リヴァイは完全に野獣と化すのだろう。