第70章 前夜・交わる想い
「お、おい!!何をしている!?」
「兵長が…してくださらないからです…!」
クレアが求めてくるまで待つと決めていたが、リヴァイはまさかこんなタイミングでやってくるとは思ってもみなかった。
まさかの行動に動揺が隠せないが、目の前には下着姿のクレア。
「…あぁ!…クソッ!!」
「あぁ…!!」
ードサッ!!!ー
理性と本能の激しい葛藤に顔をしかめたリヴァイは、クレアの腕を掴むと思い切りベッドに押し倒し、その上に跨って両手をついた。
「いいか…?俺はずっと我慢をしていたんだ…お前に余計な不安を与えたくなかったからだ…でも、クレアがいいと言うのならば…俺はもう我慢はしない…というかできない…言っている意味わかるか?優しくはしてやれないと…俺は言っているんだ…」
「大丈夫です…わかっています…」
「本気か…?!!」
「優しくなんてしなくていいです……だって…だって…これが…最後になってしまうかもしれないのでしょう…??」
「………!!」
「ウォール・マリア奪還作戦…生きて帰還したいです!でも…もし…もし、生きて帰れる事ができなかったら…これが最後になってしまいます。だから…私は最後まで…最後まで兵長の腕の中にいたんだと…最後まで幸せだったのだと…この身体の中に証が残るまで刻み込んで欲しいんです…」
「クレア……」
クレアの言ってる事が痛い程に理解できてしまったリヴァイは、返してやる言葉が見つからなかった。
作戦には100人余りの人数で挑むが、その殆どが編入したての兵士。
いったい何人残って戻れるかさえ怪しい作戦だ。