第70章 前夜・交わる想い
「あんな事って…流産の事ですか…?」
「あぁそうだ…」
「…私はもう元気になりましたよ…?」
「…そうじゃない!!今の俺はお前と仲良く“おねんね”なんかできる精神状態ではないと言ってるんだ!!」
「わ、私…何もそんな事して欲しいなんて言ってません!!」
「じゃあ何だって言うんだ?!」
「だ、抱いてください…!!」
「は…?!」
突然想像もしてなかった言葉がクレアの口から飛び出してきて、一瞬時が止まったかのように感じたリヴァイ。
「だから!抱いてくださいって言ってるんです!こんなに勇気を出して来たのに…何度も言わせないで下さい!!」
クレアは呆気にとられてるリヴァイに向かってまるで癇癪を起こした子供の様にブンブンと拳を振りながら叫んだ。
「それでも…ダメだ…」
「どうしてですか?!!」
「自分の欲望がはかりしれなくてお前を傷つけるのが怖い…もう嫌だと言ってもやめてやれる自信がない。もう離してと言われても離してやれる自信がない…だから…」
「そんなのいいです!!兵長はそんな事…考えなくていいんです!!だから…お願いします…兵長……眠れないんです…」
「クレア……」
蒼い瞳からボロボロと涙を流しながら“抱いてくれ”とリヴァイのシャツの袖を掴んで懇願するクレア。
その顔も、その仕草も反則だ…
「嫌だとか…離してなんて言いません…だって…私だって…兵長が…欲しい…んです…だから…」
するとあろう事か、クレアは着ていた部屋着のワンピースのボタンを1つ1つ外すと、リヴァイの前で脱ぎ捨てて下着姿になってしまった。